婦人科外来
婦人科外来
無月経とは「月経が無い状態」を言います。月経は通常、思春期から閉経まで成人女性にとって一般的な生理的な現象であり、月に1回子宮内膜が剥がれて体外に出るプロセスです。
思春期に入り通常の月経が始まらない状態です。18歳までに月経が始まらない場合に診断されることがあります。原発性無月経は、遺伝的な要因、ホルモン異常、子宮や卵巣の奇形などが原因であることがあります。
月経が一度始まり、それから3ヶ月以上月経が途絶える状態です。妊娠、授乳、過度の体重減少、ストレス、ホルモンの異常、子宮内膜症、卵巣嚢胞、子宮筋腫などが原因として考えられます。
月経血量が150ml以上を指しますが、量と計測することは困難なため血液検査で貧血状態があるかどうかで判断します。
月経が8日以上続く場合をいいます。
毎月の生理が過長月経である方は貧血に成り易いので注意を要します。
生理中には、女性の多くに下腹部痛・腰痛等の生理痛(月経痛)が出現します。これらに加えて吐き気・嘔吐・頭痛・イライラ感など多様な症状が伴うことがあり、これらの症状が、一般生活に支障をきたす様になると、医学的に月経困難症と呼ばれるようになります。原因としては、子宮内膜症、子宮筋腫など器質的疾患によるものがありますので、一度婦人科の診察をお勧めします。しかし検査上器質的疾患を認めないことが多くあります。治療法は、子宮筋腫など原因疾患がある場合は、その疾患に対する治療が必要になります。器質的疾患を認めない場合は、鎮痛剤・ホルモン剤による対症療法を行うことがあります。月経困難症が重度であれば低用量ピルによるホルモン療法を行います。
月経前症候群は、一般的に月経周期の一週間から数日前に生じる、身体的な症状や感情的な変化のことです。多くの女性が月経前に何らかのPMS症状を経験しますが、症状の程度と種類は個人差があります。低用量ピルによるホルモン療法が著効を示すことがあります。
旅行などと生理日が重複しないように、ホルモン剤を内服し、生理を早めたり遅らせたりすることができます。生理を早めたい場合、生理2~5日目に来院していただき、生理を避けたい日にあわせてホルモン剤を内服していただきます。生理を遅らせたい場合は、次の生理開始日7日以上前に来院していただきます。内服方法は、生理を避けたい日によって異なるため診察時に説明させていただきます。副作用としては、強い嘔気・嘔吐で内服を中止せざるを得ない場合があります。また、体質的に確実に生理の変更ができない方がいらっしゃいます。
子宮内膜症は、生殖器以外の部位(卵巣など)に子宮内膜組織が増殖・剥離する慢性的な疾患です。
卵巣嚢胞は卵巣内にできる液体で満たされた袋状の塊や腫瘤です。これらの嚢胞は通常、卵巣の表面または内部に形成され、ほとんどの卵巣嚢胞は良性(非がん性)ですが一部は症状を引き起こすことがあります。
子宮筋腫は子宮内の筋肉層に発生する良性の腫瘍です。子宮筋腫は一般的な婦人科の病気で多くの女性が生涯で一度は経験する可能性があります。
子宮頸がんは子宮頸部(子宮と膣をつなぐ部分)の細胞から発生するがんです。子宮頸がんの主要な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染です。2年に1回の子宮頸がん検診をおすすめします。
卵巣がんは卵巣組織から発生するがんの一種です。2年に1回の子宮頸がん検診の時に超音波検査にて卵巣のチェックをおすすめします。
おりもの(帯下物)に異常が見られる場合、異常な状態や疾患のサインとなることがあります。
膣炎は膣内に炎症が生じる状態です。
性感染症は性的接触によって伝染する感染症の総称です。性感染症は細菌、ウイルス、真菌、原生動物などの病原体によって引き起こされ、性的行為を通じて感染が広がります。
梅毒は性行為などによって感染が広がり、感染者の皮膚病変に直接接触することで感染することもあります。また、母親から新生児に感染することもあります。
尿道や膀胱の炎症、尿道からの膿性分泌物、腹痛などです。20%〜30%にクラミジア感染症が合併していることがあります。
子宮内膜炎や骨盤炎を引き起こすことがあり、多くの場合は無症状のまま感染が進行することがあります。
性行為により感染が広がります。子宮頸がんの原因となるウィルス感染症です。予防ワクチンがあります。
妊娠の症状は個人差があります。妊娠初期に必ずしも全ての症状が同時に現れるわけではありません。妊娠症状は、通常、最初の2週間から6週間後に現れます。重要な症状は月経遅延(生理が遅れる)です。
確定的な診断は超音波検査です。妊娠検査は市販のキットを使用して自宅で行うことができますが、もし妊娠の兆候がある場合は当院へお越しください。
閉経(50~55歳)期の前後5年ぐらいを更年期といい、女性ホルモンのアンバランスから多様な症状が出現するようになります。のぼせ・ほてり、発汗(hot flash)、抑うつ、イライラ感、不眠など更年期症状が普段の生活に支障をきたす様になります。これを更年期障害といい、治療の対象となります。当院では当帰芍薬散などの漢方薬での治療を勧めております。